「やり方」と「あり方」とは (下)理解を深める(組織マネージメント)

 

あり方とやり方 理解を深めるために

「あり方」と「やり方」のブログの掲載させていただいての反響は、大変大きいものがあります。皆さんの大きな課題でもあるようです。

「やり方」だけの薄い業務では人は育たないし、「あり方」を理解させるには、理念からの繋がりや業務間の繋がり、何の為に働くのか? その業務は何の為にあるのか? 等々を考えさせることがとても大事なのですが、とても難しいと誰もが言われます。

 

日常的に多いのは、上辺だけの業務を教える業務移行パターン

いつになっても応用が利かない組織になってしまいます。教える側が、「やり方」しか理解してない場合、表面的な業務しか教えられず、同じことの繰り返しにより上辺だけの風土が育ってしまいます。これでは大変困りますね。

では、「あり方」の意味を理解させながら、「やり方」を教えるにはどうしたらいいのでしょうか? という質問が多く寄せられましたのでここで少しお話しをしてみたいと思います。

 

ブログでは同時に考えさせるのがコツという表現で書いています

しかし、実はこの同時の中に瞬時にして、「あり方」と「やり方」を行ったり来たりしている思考があるということです。

頭の中で思考の往復が行われ、「やり方」と「あり方」を交互に行き来する事で、「やり方」の意味を理解し「あり方」の意味を深める。

この思考の往復の中で「理念の理解」と「実務の経験値」が増えることにより、「やり方」の業務の理解が広がり、「あり方」の業務の意味の深まり広がるというサイクルに入ります。これが、最も大事な事なのです。

 

「あり方」の意味の理解が浅ければ「やり方」も浅いものになるし、「あり方」を深く理解する事が出来れば「やり方」も意味の広がりが深いものとなります。この繰り返しが人の成長に繋がり、人としても深みを増すことに繋がるのです。

 

参考例として  ①

総務職Aさんの「あり方」に焦点を当てたビフォア、アフター

 

ビフォア
  • あり方:就業時間まで問題無く働けばいいという自己中心な「あり方」のAさん

  • やり方:差しさわりのない業務しかおこ行わず、チャレンジもしない、まわりと協調性をもたいない

  • 結 果:お客様からも職場の人からも期待もされず、信頼もされず、業務成果は上がらない

アフター
  • あり方:働くことの意義を感じ、自分の可能性を感じ、周りの人達も信じる「あり方」に気づけたAさん

  • やり方:点で業務を見ていたがそれが線になり、お客様の立場も理解しようとすることで、職場の人との意見交換ができるようになっていったAさん

  • 結 果:表情が生き生きとして、仕事に取組む姿勢も前向きになり、自ら話しかけて人間関係をよくしていくことで、業務が改善され成果に繋がった

営業職のBさんの「あり方」に焦点を当てたビフォア、アフター

 

ビフォア
  • あり方:周りを信頼せず、意見も聞かず、独りよがりの仕事をする「あり方」のAさん

  • やり方:自己中心的なプレゼンをし、見栄をはって自慢話ばかりになり、誰にも心を開かない

  • 結 果:お客様からも声もかからず、職場の人からも期待されず、当然営業成績は上がらない

アフター
  • あり方:恵まれた環境を理解し、職場の人達それぞれ素晴らしい良さがあると信じる「あり方」に気づけたAさん

  • やり方:お客様の立場に立って提案をし職場の人とも理解し合い、共に仕事をする、自分軸から相手軸も理解できるようになる

  • 結 果:営業成績は飛躍的に伸びる、周りのメンバーとも協力仕合い、共に成績を伸ばしていく

参考例として ②

実は趣味や好きな事での思考の往復は、誰でも知らず知らずのうちにしていること

スポーツ観戦が好きな人は、始めはルールを学び、観戦し、試合の中でのルールの使われ方を見て理解し、勝った負けたと一喜一憂します。それで観戦は出来ますが、更に選手一人一人の選手の生い立ちやキャリアの理解を深めることで、その選手のプレーの一つ一つが感動へと変わり、更なる深い関わりを感じます。これで根っからの〇〇ファンが生れます。

何度も観戦する事で、スポーツという抽象的な表現からスポーツに一つ一つのプレーへと思考が往復をして更に現実的な試合の楽しみ方も広がるでしょう。

そのことにより知らず知らずの思考の往復により、更に理解が深堀をしているわけです。

 

日常業務での例

  • 「何度も同じことを繰り返しその意味を理解せずただ繰り返す人」、

  • 「その表面的な意味を理解しながら業務を行う人」、

  • 「会社の理念・ビジョンを理解し、業務を理解しながら未来を見て仕事をしている人」

「あり方」である何の為にその業務を行うのかという理念・ビジョンの理解を深めながら、業務を行うことで、その業務のプロとなっていくこと、話す言葉にも説得力が生れてきます。人に意味も含めて伝えることが出来るようになることなど、周りから見ても大きな成長が見て取れます。

「あり方」の理解は、人の成長に大きく関わり、組織としても深みのあるしっかりと根を下ろした成長を遂げることが出来ます。「現場の業務」と「理念やビジョン」を思考の往復で考え幅を広げ深みを増すことが、将来にわたり継続的に持続可能な成長を遂げる企業に生まれ変わります。この時「理念やビジョン」は飾りではなく、心から湧き出たものであることです。

 

更にこうしたことは、業種や職種によって変わるものではありません

自らの「あり方」が変われば、見えるものが変わり、やり方が変えられます。本気で自分の周りに起きる結果を変えるなら、また、経営者として企業の結果を変えるなら、企業としての持続可能な存在意義を明確に打ち出すこと、個人として心の拠り所となる「志」見つけることが、最優先であり、それを考え続ける思考の習慣と行動習慣から変えていくとなのです。

日常の習慣がすべてを創っている

習慣は、誰でも、いつでも、変えることができるということです。

「やり方」と「あり方」とは(上)もご覧ください。

 

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