「忙しいです」「大変です」「みんな言っています」と言われ振り回される管理職達

こんな話良く聞きませんか? また、社内でありませんか?「忙しくて、今、手がいっぱいでこれ以上仕事が受けられません」「大変です。現場にいろいろ問題があります」「みんな言っていますよ」などなど・・・。

「忙しい」とか「大変です」とか「みんな言っています」という表現に振り回されていませんか?

 

以前、組織コンサルティングに入った企業で、こういった表現が多い企業がありました。人柄のいい社長も最初のうちは、会議などで現場の報告が「大変です」「忙しいです」という報告ばかりだから、大変なのだねと現場のことは現場に任せて無理を言わない様にしていましたが、ちょっとアドバイスをしました。ある時、そんなに大変なことが多いならもっと相談に乗ってあげないといけないなと管理職に話したのです。

それから「いろいろ大変です」と言われる場合

何がどのように大変なのかを聞くようにしたのです。よく聞いてみると「え?そんなこと?」よく考えて大変じゃないでしょう?と説明をすれば、「あ、そうですね。大丈夫ですね」と返事が返ってくるのです。

「みんな言っています」この言葉を聞く場合

多くの人、又は、大半の人が言っているのではという錯覚を起こしてしまいますが、これもよくよく聞いてみると社員の5%にも満たない人の意見だったりするのです。もっと言い換えるとその人の意見なのです。もちろん少数派の意見も大事ではありますが、事柄や内容次第ですね。

それから優しい社長は、やっと社員ともっとしっかり向き合い話を聴こうという姿勢を持つことになります。その後、社員も真剣に話しているのですが「みんな言っていますよ」という表現は使わなくなりました。誰と誰が言っているのと真剣に聞かれるからです。聞き方も答え方も工夫するようになりました。

表現方法一つでよくあることですが、すべての人が言っているかのように聞こえてしまいます。これは、事実ではなく自分の視点が入った表現方法です。「事実」と「解釈」と分けて考えると解りやすくなりますが、なかなか理解できない場合もあるようです。

人の記憶は、事実と解釈を結び付けて記憶していることが多い

その事実に自分の解釈・感情が入っていても気が付かないということが起こります。これは、報連相という連絡のやり取りの中にも起きている事なのです。優秀な上司の場合、報告では部下に事実を伝えさせてから部下に気になる部分に対して意見を求めたりしますが、いまいちの上司の場合、部下の報告をすべて鵜呑みにして判断してしまうことが多々あります。上司も部下の報告の仕方に私意が入っているなんて気が付かず、判断をしてしまうケースなのです。

これは、まだまだ未熟な組織に多く、未熟な管理職に多いケースです。さて、話を戻すと実際にしっかりと話を聴いてみると解決することが多いということです。鵜吞みにせず、しっかりと聞くこと、それは事実であるかどうか、イメージが湧くまで聞くのです。事実が何だったのか?それから、かなり問題は減りました。

先日も他の企業でありました。

管理職がやることがいっぱいと言っています。仕事量が多すぎないですか? 

よくよく現場の確認をせずに、聞いたままで報告してくる。大変だと聞くと情が出てしまい気の毒に思って、「大変なのですね」と。仕事量が多いと話しておきますねと聞いてきてしまう。当然報告は、「仕事量が多く大変とみんなが言っています」となります。これでは中間管理職としての意味が無くなります。

人材の育成は、時間が掛かりますが、このようなことを一つ一つクリアして積み上げていくことが大事なのです。しっかりと「事実」と「解釈」を見分けることこの切り分けをしっかりと身に付けさせることが組織として必要だと思います。この事だけで、社内の情報の流れが変わります。現場に即した管理職の対応が出来るようになっていきます。

「忙しい」という言葉がありますが、よく使う人はどんな人でしょうか?

忙しいとはどんなことでしょうか?「忙しい・・・りっしんへん=心と亡=無くなるが合わさっている。心が亡くなることを忙しいと書きます」。この事から事実ではなく感情的な判断ということです。事実をしっかりと観れば、忙しいという感情も湧いて来ません。時間に追われている人忙しいという言葉を使いますが、それも同じことなのです。事実が見えない為に忙しいという感情に振り回されます。

事実は何なのかをしっかりと見極めることで冷静な判断が出来るようになります。

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