今年、第一回目のブログは、文庫版あとがきに書かれていた「大きな石」と「小さな石」というお話です。
2001年に書かれた文庫の中に出てきます。その当時、話題になった本でもあります。昨年末、偶然にもこのテーマを作品にした篆刻家の方の作品を見ることになりました。本当に大事なものは何なのか? 改めて考える時でもあるのかなと思い年頭のブログにしようと書いています。
会社がなぜ消滅したか ― 山一証券役員たちの背信 (新潮文庫) 文庫 – 2001/9/1
読売新聞社会部 (著)
「大きな石と小さな石」
引用元は『会社がなぜ消滅したか』(読売新聞社会部/新潮文庫)の「文庫版あとがき」です。
「さあ、クイズの時間だ!」
大学教授は、そう言って大きな壺を取り出し、教壇に置いた。その壺に、彼は一つ一つ石を詰めた。壺が一杯になるまで石を詰めて、彼は学生に聞いた。
「この壺は満杯か?」
教室中の学生が「はい」と答えた。
「本当に?」
そう言いながら教授は、教壇の下からバケツ一杯の砂利を取り出した。そして砂利を壺の中に流し込み、壺を振りながら、石と石の間を砂利で埋めていく。
そしてもう一度聞いた。
「この壺は満杯か?」
学生は答えられない。一人の生徒が「多分違うだろう」と答えた。教授は「そうだ」と笑い、今度は教壇の陰から砂の入ったバケツを取り出した。それを石と砂利の隙間に流し込んだ後、三度目の質問を投げかけた。
「この壺はこれで一杯になったのか?」
学生は声を揃えて、「いいや」と答えた。教授は水差しを取り出し、壺の縁までなみなみと水を注いだ。彼は学生に最後の質問を投げかける。
「僕が何を言いたいのかわかるだろうか?」
一人の学生が手を挙げた。
「どんなにスケジュールが厳しい時でも、最大限の努力をすれば、いつでも予定を詰め込む事は可能だということです」
「それは違う。」と教授は言った。
「重要なポイントはそこにはないんだよ。この例が私達に示してくれる真実は、大きな石を先に入れない限り、それが入る余地はその後二度とないということなんだ。」
君たちの人生にとって”大きな石”とは何だろう、と教授は話し始める。
「それは、仕事であったり、志であったり、自分の夢であったり……」
「ここで言う“大きな石”とは、君たちにとって一番大事なものだ。それを最初に壺の中に入れなさい。さもないと、君たちはそれを永遠に失う事になる。もし君たちが小さな砂利や砂や、つまり自分にとって重要性の低いものから自分の壺を満たしたならば、君達の人生は重要でない何かに満たされたものになるだろう。」
「そして大きな石、つまり自分にとって一番大事なものに割く時間を失い、その結果、それ自体を失うだろう。」
以上ここまで
皆さんは、「今」何を感じていますか?
経営者にとって、あなたの会社にとって、社員の人達にとって、一番大事なものは何でしょうか?
いいタイミングですから、もう一度考えてみてください。
大切な時間になると思います。