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「経営理念」とは、何でしょうか?
言い変えれば、この会社は「何のために存在しているのか?」この会社の経営を「どんな目的で、また、どの様な方法で行っていくのか?」ということについての心の拠り所を持つということです。
経営の要素と言われるのが、人財力、技術力、資金力、情報力、時間力、そして営業力と大切なものは、個々色々ありますが一番の思考の基本になるのは、心の根本から生まれた「経営理念」です。
理念が根本にあってこそ、ビジョンにブレない判断が出来き人も技術も資金も初めて生かされるということです。では、心の根本から生まれる「経営理念」とはどんなものでしょうか?
「経営理念」は、モチベーション「心の拠り所」となる
熟考されずに作られた理念も多く見受けますし経営者からお聞きする事もあります。「作ってもらった」「時間が無かったのでとりあえず決めた」「先代のそのままで意味は十分に理解していない」「理念の作り方がわからない」など様々です。
理念の良い悪いのはどのようにして判断したらいいのでしょうか?
ポイントは、理念から「強さを感じる」、「やる気になる」、「背筋が伸びる」と同時に最も大事なポイントとして「怖さを感じる」があるかどうかではないかと思います。
「経営理念」が腹に落ちた経営者は、いつも理念と向き合い自分に問いかけます。そういう経営者は「強さと怖さ」を併せ持つ経営者であると言えます。
「経営理念」を持った結果、非常に信念として強固な意志が出てきた
そのことで、社員に対しても、顧客に対しても、しっかりと自分の思いを伝え行動できる、力強い経営ができるようになった。経営に魂が入り急激に事業が発展し始めたなど新たな動きが起きてきます。
刻々と変化している現代の社会情勢の中で、次々と起こってくる問題に的確に対処していく上で、基本の拠り所となるのは、その企業の経営理念です。また、大勢の社員を擁して、その心と力を合わせた力強い活動を生み出していく基盤となるものが経営理念でもあります。
経営理念は、単なるツールではありません
事業の拡大や利益を考えていく中で、根本に経営理念が無くてはならないと言えるでしょう。
その経営理念は、育った環境や受けた教育、経営者の子供の頃から知らず知らずに培った人生観、社会観、が大きく影響します。そして、新しく入社した社員にとっても、経営理念は、働く環境の中で知らず知らずに考え方のベースにもなっていくということです。社会人になり、どんな教育を受けたかという経験は、その人の人生に大きな影響を与えます。
経営は人が行うものです
経営の柱である経営者自身も人であるし、社員も人、顧客もあらゆる関係先も人です。
経営は、人が集まって関わる人達の幸せのために行う経済活動でもあります。その経営を適切におこなって行くためには、人とは何なのか? 社員一人一人は、どういう個性を持っているのか? 何にモチベーションが上がるのか? ということを把握する必要があります。ですから、組織モチベーションを分析するのは、とても大事なことなのです。
様々な経営者の人達が「事業は人なり」と言われます
どんな経営でも経営理念に共感し、そういった人材を採用し、企業に会う人が集まり、初めて発展していくものです。人が足りないから、誰でもいいから採用するという視点だけでは、社員も長続きしません。長い歴史や、伝統を持つ企業でもその伝統を正しく受け継いでいく人がいなければ、だんだん衰退してしまいます。
実際に社歴は長いが、企業の中身は育っていない、組織が成熟してないから、社員も成長できてないし、当然歴史も受け継がれていない会社が数多くあります。
経営手法や組織マネージメントの手法も大切ですが、それを生かすのは、人です。どんなに整備した組織を作り、新しい手法を導入してみてもそれを生かす人を採用しなければ、成果も上がりません。企業が社会貢献しつつ、自らも成長していけるかどうかは、人が重要であるという言ことです。だから、経営においては、何よりも人を求めて人を育てていく事が大事な事です。
有名なお話ですが、松下電器産業(現パナソニック)の創業者、松下幸之助さんのお話しで、従業員の人に「お得意先にいって、「君の所は何と作っているのかと聞かれたら、松下電器は、人をつくっています。電気製品も作っていますが、その前に人をつくっているのです」と答えなさいとよく言っていたとか・・・
いい製品を作ることが、会社の使命であるけれども、その為にはそれにふさわしい人をつくらねばならない。そういう人が出来てくれば、おのずといい物も出来るようになってくると考えてきたとか。
このお話は、経営者の誰もが、心に止めおく必要があると思います。
「経営理念」の作成は一人では深堀できません。