事業承継の具体的な進め方を定めた計画を策定する
自社を取り巻く状況を踏まえて、事業承継を着実に進めていくために、具体的な「事業承継計画」を策定します。事業承継計画は、経営者が一人だけで考えるものではありません。後継者や親族などと一緒に、取引先や従業員、金融機関等との関係などを考慮しながら、策定します。中長期的な経営方針や目標を設定する
事業承継計画では、自社の中長期的な経営方針、方向性、目標などを設定しながら、その中に事業承継の行動計画を盛り込んでいきます。 事業承継後に事業運営を担うのは後継者ですので、後継者抜きの計画策定は基本的にありえません。後継者が実行できる取組まで事業承継後の目標として織り込むことができれば、経営者交代があっても、切れ目のない一貫した事業展開が期待できます。
要注意!
事業承継計画の策定は、「計画書」を作ることが目的ではありません。経営者と後継者とが「事業承継」という共通の目的意識をもって計画を策定するプロセスも事業承継を着実に進めていくための土台になります。
会社の10年後を見据えて事業承継計画を策定
◦事業の維持・拡大 ◦事業領域を堅守する
◦新事業に挑戦 ◦組織体制の在り方
◦必要な設備投資計画
◦売上や利益、シェア
事業承継の行動計画
◦いつ? ◦何を? ◦誰に? ◦どのように?
(中小企業庁 経営者のための事業継承マニュアルより)
目次
実際の中小企業の現場では、経営計画書は作られていない現実
まだまだ、小規模企業の場合(とある中小企業が集まる団体の数値では)経営計画書を作成している所は、半分にも達していません。更には、経営理念も策定されていない企業も同じ数ほどあります。
計画性が無く、その月の数字を追いかけている状態の企業も多く、また、計画はどんぶり勘定で行われ、それで上手くいっているからいいだろうという気持ちの経営者もいらっしゃいます。
計画性が無ければ、後継者も管理職も育ちません
計画的に進める必要があります。経営計画を作ったことがない企業も大雑派な所から作成し、だんだん精度を上げていくことで、計画性のある組織に変わっていきます。上記には、計画書を作るのが目的ではありませんと書かれていますが、まずは、作る所から始めてみることです。それから一歩ずつですね。そのうちでは、進みません。来期から、今期から始めることをお勧めします。
作ることにより、今まで見えなかった課題や将来のあり方も見えて来て、大きな財産になります。
計画性は、今の時代にはとても大事です。未来から計画を割り戻すバックキャスティング
何故なら、時代のスピードがとても速くなっているからです。時代の変化に対応しながら、人材を育成するのは、そのうち人が育つだろうという安気な気持ちでは間に合いません。管理職が育てばいいなーとか、そのうち事業承継を進めなければならないけど・・・いつの間には時は過ぎます。大事な事は、明日でいいやと物事を先送りしないこと、時間軸で計画を立てて実行する事、何が大切なのか根本から考え直すことです。